- 2010.11.29
- 社長日記
あるフォーラムにて・・・・・
昨日、現在ホームページを作成していただいている会社の社長に紹介いただき、大阪のある会が主催しているフォーラムに参加した、場所は大阪のシェラトンホテル(赤字開催だそうです!お疲れ様です!!)。
メインの講演は「日本で一番大切にしたい会社」の著者:坂本光司さんの講話。
大阪の実在する企業のお話しで涙が止まりませんでした。
ちょっとご紹介します・・・・。
大阪のある工業部品メーカー
不況の影響でリストラを繰り返し、100人いた従業員が今は30人・・・・
創設者の初代社長は、会社は自分個人の財産と位置づけ、社員の事は
虫けらのように扱っていた。
融資をしている銀行は今後の融資の条件として「社長の勇退」を条件と
していた・・・・まさに会社は倒産寸前。
大阪の別の会社(超有名大企業)の購買部長がいた
彼は、入社時から身体と頭を使い、会社を愛し、一生懸命働いた。
忙しくても家族の事を片時も忘れたことは無かった、そして何よりも下請け業者の事を愛し気遣う方だった、ゆえにありがちな「下請けいじめ」もせず購買部長として嫌われるどころか彼は下請け(協力業者)からも心から愛されていた。
現在、大企業でも不況時は「リストラ」という名の(人道的に疑問視される)行為を行うのが今や当たり前になっている。
彼の勤める大企業も例外ではなかった。
例に従い「希望退職者」を募集し始めたのだ・・・・
彼は思った・・・
「もう会社を愛せない、ここまで一緒にやってきた社員を不況を理由に簡単に首をきる、経営や方針の転換、マーケットの模索という会社が取るべき策をとる前にまず社員を犠牲にするのか」
経営陣のその考えが彼は許せなった。
そんな彼は
「私が辞めて若くて家族もある有能な若い社員が一人でも残るのであれば・・・・」
と退職を決意した。
その噂を聞きつけて下請け業者や関係企業から彼へのオファーはなんと70社を超えた。
しかし過去下請け業者さんのところに行くのは気がひけたらしく、すべて丁重に断った。
ある日、友人の一人でもある銀行マンからその倒産寸前の企業の話を彼は聞いた
「融資を続ける条件で現社長の勇退を提示している、その会社の社長を引き受けてもらえないか」
と・・・・・・・・・友人の銀行マン。
「一度その会社を見てみたい・・・・・・・・・」
彼は、大阪のはずれにあるその会社に見学に行くことになった。
暗い工場の中・・・・・
油にまみれ汗にまみれて、一心不乱に・・・・一生懸命にモノづくりに励む
社員たちの姿をその目で見た。
彼は新社長就任を決意した・・・・・その年の4月だという。
当然かもしれないが会社の従業員は「社長」と呼ばれる存在をすでに受け付けなくなっていた。その上によそから来た「新社長」に対して心を開こうとしなかった。
就任後、彼は経理の内容を確認した・・・・・・
彼は愕然とした。
社員たちは誰ひとり約10年間一円たりともボーナスをもらっていなかった。
すぐに彼は妻に頼み、自分の口座から90万円を用意させた、それを
持って経理の女子社員にこう言った。
「私が渡すとまた角が立つから君から封筒に3万円づつ入れて30人全員に手渡ししてもらえないか」
女子社員はこう言った。
「社長、これはあなたが老後のために蓄えてきたお金ではないですか、これを私たち従業員が1円たりとももらうわけにはいきません、お返ししす」
その時彼は思った
・・・・・・「なんて素晴らしい社員なのだろう」
と。
押し問答が10分ほど続いた後に彼はこう言った。
「では、これをみなさんに貸すと言うことで、ある時払いでかえしてくださいますか」
女子事務員は封筒に3万円いれて工場の従業員一人一人全員に手渡した。
そんな彼は、当然自分の給料もカットした・・・・・・・90%もである。
その他幹部社員も10%から25%カット・・・・・
しかし一般社員は一円も給料を下げなかった。
このことを会社の講堂で発表した時、何名かの社員が手を挙げてこう言ったのだという
「私たちの給料もさげてください!」
しかし彼は一般社員の給料を下げることはなかった。
そんな事があり、徐々に従業員の社長に対する信頼は徐々に増していった、何よりも社長は本気で社員を愛し、そしてその家族を本気で愛した。
ちょうど1年後の決算月の3月、この会社の10年連続減収は見事にV字回復を見せた、特別な策を打つ時間もなくリストラも当然行わずに見事に復活したのだ。(講師の坂本さん曰く、「経営とはそんなものなのです」と)
理由は、従業員が以前にもまして働いた、少しでも良い製品を!少しでも新開発した商品を!俺たちの会社を俺たちが作る!社長の努力にこたえよう!そんな思いだったのだという。
実際、経営が回復した後も、社長は誰よりも早く会社に出勤し、一番最後に会社の鍵を閉め、皆が嫌がる仕事を誰よりも率先して行ったのだという。
きっと私が思う のは従業員の方々に働きやすい環境を作ることが自分の仕事・・・・と思ったのだと思う。
そんなある日、社長が血を吐きながら倒れた。
すぐに病院に運ばれた、検査の結果は「末期がん」だった。
胃はおろか内臓のほとんどがガンに侵されてボロボロだった。きっとここまでになるまでにかなりの痛みや苦しさがあったはずである、きっと社長に就任するころには解っていたのではないか・・・・そんな推測は誰でもできる。
病院には社員30名に対しその3倍強の100人強が見舞いに駆け付けた。
社員の奥さん、社員の旦那さんその家のおじいさん、子供、お孫さん・・・・社員の家族皆が駆け付けた・・・・・たくさんの1000羽鶴とともに・・・・・・。
このあと3代目社長が就任した。
社員は70名ほどに増えた。
現在もこの会社は元気だという。
そしてこの2代目社長も内臓のほとんどを切除した現在もご存命だ。
後から皆が気がついたらしいのだが、この会社が軌道にのり収益が上がっつても社長は一切給料を上げていなかった・・・・・。
著者の坂本さんのもとにこの二代目社長からメールが来てこの会社の存在を知り訪問したそうです。
「あなたの、コラムをあることがきっかけで読みました、私の経営理論は間違っていなかった、そのことを確認出来て嬉しかった、ありがとう」
この話を坂本先生は泣きながら話されました、僕も涙が止まらなかったし周りの方もたくさん泣いておられた。
坂本先生曰く600社ほど回った企業で先生が最高と思える良い会社の条件が定義できるとのこと。それはつぎのとおり・・・・
①すべての社員が70歳を過ぎても働くことが可能であること
②新入社員の離職率が過去3年で10%以内であること
③リストラをやらない会社
④障害者の雇用が2%以上(日本の現状は1.6%・先進国で最低レベル)
また経営者が大切にするべき5人の事
一人目は 社員とその家族
二人目は 社外社員とその家族(いわゆる協力業者、下請け業者)
三人目は 顧客
四人目は 地域住民
五人目は 株主や出資者
重要度は順番通りで最低上位四人は大切にしないといけないと・・・・・・・
余談だが、なんと三年前に私が作った会社理念には上位三人を入れていた!!間違って無かった!(嬉)
今回四人目の地域住民を入れた経営理念を作成した。
近日社内で発表しようと思ってます。
そんな昨日の出来事でした。
ながながとお付き合いいただきありがとうございました!
帰りにホテルのロビーにクリスマスツリー・・・・・
もうそんな季節ですね。
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