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代表の松本です。6月1日～6月3日まで、私のルーツとなる、父の生まれた福岡県、母の生まれた大分県に行ってきました。

訪ねた理由は「ルーツを知る事」ですが、それには、経営者の団体の中で学んだことがきっかけです。『人は、両親の良いところと、悪いところを受けついで生まれてくる』というものでした。

私は、厳格な父と優しくも厳しい母の下に生まれました。3兄弟の真ん中で長男。私が幼少のころから、花柄を書くデザイナーの母と、電気工事の会社を経営していた父は、共働きでした。わたしを含めて3兄弟は母方の祖父母に育てられまた。

父は、とても厳しい人でした、剣道の高段者、剣道界では有名で、男性として強くかっこいい、私には憧れの存在でした。父の教育は「男は強くないといけない」「一番でないとダメ」でした。（現代では問題視されてしまう『男は・・・』ですが）私は体が小さく、性格も恥ずかしがりで、気が弱く、体も弱い少年だった。外で遊ぶより、絵を書く事や、絵本を眺めるのが好きな子供だった。

しかし、父の影響で剣道を小学生低学年からはじめ、大学まで続けた。しかし強い選手にはなれなかった。どこに行っても剣道の世界では父と比べられ「お父さんはあんなに強いのに、君はなんだ、弱いな」そんな心無い言葉も沢山浴びた子供時代。父からも剣道をあまり褒められた記憶はない。

私は、好きではなかった剣道を大学卒業とともに終えると、次はトライアスロンの世界にのめり込んだ。兎に角、どんどん結果が見える形でついてくるので、楽しくてたまらなかった。練習方法すらまともに確立されていない。そして「トライアスロンの世界なら自分が認められるのではないか」という思いで続けていた。時には電気工事の会社を継がない、という私と父はぶつかることもありました。それでも認めてもらいたかった。

しかし、仕事もせずにトライアスロンばかりやっている私は、父から認められず・・・（当たり前ですね）トライアスロンが一段落したら、その後個人事業などを経て、結局父の会社に入り、父の事業を継ぐこととなった。

その後父の会社の経営の継続が難しくなり、私は別会社の代表となった。それが今の「電建」。顧客と社員さんを引継ぎ仕事をしていたので、開業当初は父の会社と何ら変わらない形で仕事を、収支は引き続き苦しく、毎日眠れない日々を送りながらの経営だった。そんな電建も今は16期。それなりに事業モデルも出来ていき、当初３名だった社員数も今では10名以上になった。とはいえ、まだまだ零細企業の域を抜け出せていない。これからようやく社員さんとともに、本当のビジョンや計画を立てれるような組織になって来たと思う。

しかし、自分が本当にやりたいことは何か？と50歳を過ぎてから、自問自答する日々が続いた。答えを出すのに長い時間がかかった、2年以上かかったのではないか。しかし、毎日通勤の時、休みの日、散歩しているときも「何のために生まれてきたのか、本当にやりたいことは何なのか」を考える日々。

私の父は、お世辞にも良い人とは言えないと思っていました。いつも自分の事ばかり優先で、物欲も強く・・・（このように書くと悪口のようですが最後まで読んで頂きたいです（汗））

最近も、父とは母の事、家の事でもめたり喧嘩したりが続いていた。しかし、ふと思った。「もしかしたら父も私と同じように、親に認められたい、人に認められたい」があったのではないか・・・

私も同じだった。最近まで、人よりもそれが強かったと思とおもう。それが間違いだと気が付いたのは、現在のわが社に20歳代の息子が入社したこと、高卒の（現在20歳）の社員が3名入社したことからだ。

親が子に対して抱く「愛」は本物の見返りを求めない愛だと思っている。時には親は子供の為に命さえ投げ出せる。私は息子に他の社員と分け隔てなく、平等に対応したかったので私の事を『社長』と呼ばせ、私は『松本君』と呼ぶことにしました。

そんなある日の夜、残業をしていた息子と私だけが会社に残っていた。そろそろ帰るかというとき「晩御飯行こうか」と誘った。その時「あっ！特別扱いしている！」その言葉が心に浮かんだ。

私共の経営理念の後半は「愛が溢れる社会を創造します」だが、その前に「愛が溢れる会社」になる事が大事だと考えている。つまり私自身のテーマは「愛」なのだと最近強く感じている。この時「社員さんを愛していますか」と天の声が聞こえたような気がした。猛反省です。

この日を境に、社員さんを我が子と思う事にしようと決めた。決めたからと言っていきなり我が子の様に愛情を注げるのか？愛せるのか？いまだにそれは自分でもわからない。ただ、その時から、彼らの子供時代を想像したり、一人暮らしの社員が風邪を引いたらちょっと食べれるようなものを作って持って行ったり、誕生日にはプレゼントを買いに行く自分が居た。無理することなく自然に。そういうことを繰り返していると不思議なことが起きた。

私自身が「人に認めれられたい」とか「愛されたい」という感情が日に日に小さくなっていき、それよりももっと身近な人に何かをしてあげたい（させてほしい）・・・という気持ちに変わっていった。

何処まで行っても私は父の子。父の良いところも悪いところも受け取っているとしたならば、私は人を愛することによって、改善した。だとするのならば、父もそうなるのではないか？そう考えたのです。しかしその前に父は会社を無くしているから、最後の最後に自分を自分が認めてあげられなかったのではないか？だから、自分でも気が付かず、いまだに苦しいのではないか？という結論に私の中で達した。そしてこれはもしかしたら、私のご先祖様から何代も前から続いているのではないか、と考えるようになったのだ。そう思うといてもたってもいられず。父にそれらをすべて正直に告げた「という事で、お父さん、九州に行こうと思います、ご先祖様を訪ねたい、家系図を作りたいのです」というと、父は「そうか・・・」と言って引き出しから何やら持ってきてくれました・・・・。（次回に続きます）

※生まれたての私。ミルクをあげているのはもちろん母です。

（松本　晃幸）

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