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父が引き出しから持ってきてくれたのは、父が手書きで作った父親方の家系図でした。

過去に、とある人に言われて、家系図を作ったそうです。

その中に、もしかして？と思うところがありました。私の祖父の事です。次男だったのです。

昔の家は、長男をとても大事にしていたと聞きます。明らかに次男とは違う待遇で、子供の日の節句は長男はお祭り騒ぎ、次男は何もなしレベル・・・・。いつの日か母親よりも上座に座るようになるとか・・・

祖父は次男でしたが、長男が戦死して、家を継いだのだそうです。そのため元々長男を可愛がっていた曾祖父との人間関係が、今一つだったとか・・・・

「やっぱり祖父は、曾祖父に認められたかったのではないか？」そんな予想を立てました。

今回の九州へルーツをたどる旅を思い立ったのは、経営者の仲間が送ってくれた書籍にあります。その書籍には、「三代ほど前の人の影響を受ける可能性がある」と書いてありました。私の予想通り・・・

父から聞いていたのは、祖父はやはり長男だった、福岡の実家を継いだ長男の叔父さんを可愛がったそう。父は次男で寂しい思いをしていたようだ、それでも祖父が長男を可愛がったのは、当時残っていた家制度のなごり、おじいさんに植え付けられた価値観？

そして父は、祖父に認められたくて、高校大学と必死で剣道の稽古に打ち込んだらしい。父からはいつも努力の話を聞かされた。

「人の三倍稽古して、爪の先ほどだけ人より強くなる、とにかく稽古は誰にも負けないくらいやる事、自分より強い人とやる事」

関東学生剣道チャンピオンだった父は、全日本学生選手権で準優勝した。その大会に祖父が応援に来てくれたらしく、その時の話を父はいつも泣きながらしてくれる。

会場で、大勢の記者が準優勝選手の父である祖父にインタビューに来たらしい

、その時「こんな着物、股引を履いているような田舎者が、息子の晴れ舞台を汚してはならない」といって、一切のインタビューに応えず、静かに会場を後にしたそうです・・

私もこの話を誰かにする時には、いつも泣いていた父を思い出し、泣いてしまうのだが・・・。

父の実家は福岡県遠賀郡にある。遠賀川の直ぐわきにある。小学生の頃は夏休みに長期滞在させて頂いた記憶がある。父が生まれ育ち、祖父、曾祖父もそこにいたと思うと、西宮で育った私なのだが、なんだか第二の故郷のような気持がして、とにかく早く行きたくなった。そして父の実家に住んでいる叔父さんの奥様（叔父さんはすでに他界）に電話をした。「叔父さんにお線香をあげに、近日中に伺います」。

叔母様は快諾してくださった。

そして、私の母は、大分県の中津市で育った。私が幼稚園くらいの時、母方の祖父母は大分県から兵庫県に移り住み、仕事の忙しい両親の代わりに、私達３兄弟を実質育ててくれたのだ。

祖父は中津市で大商売人だったと聞いている。食品を主に取り扱い、時にはネオン管まで作っていたらしい。しかし、商売は段々縮小していき、最後は破綻したらしい。

今回は、母方の実家のあった場所などにも無性に行きたくなり、母の大親友「ともちゃん」に連絡をとり、事前に実家周辺や母が通った学校の位置など、色々調べて、地図にして送ってくださった。私が大分にも行く事を伝えると「是非、大分であいましょう！」とメッセージをくれた。

母方の祖父の実家（本家）に住んでいる叔父さんにも手紙を書いた、暫くするとその息子さんからお電話を頂いた「父は昨年亡くなりました。私が一人で住んでいます」と・・

私が大分に行くことを伝えると、当日は休みなのでお墓などにも案内するとの事。

福岡、大分　へのチケットを買い、新幹線に乗り込んだ。「何となく」のスケジュール感・・・私の旅はいつもこんな感じなのだ（笑）。福岡までの数時間は、読みかけていた一冊の書籍「十牛図に学ぶ」を読んだ、曾祖父や祖父の事を考えつつ。そしてあっという間に福岡についた。

ルーツを訪ねて➂へ続きます。

松本　晃幸　拝

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